Gemini Omni 1.1 Flash(Google Flow)
- CASE STUDY
- Omni 1.1 Flash
- Seedance 2.5
- ManualClip
AI動画は、
どこまでCMになる?
マニュアル作成SaaS「ManualClip(マニュアルクリップ)」を題材に、Gemini Omni 1.1 Flash(Google Flow)とSeedance 2.5(BytePlus)で10秒のプロモーション動画を制作。同じ条件でも品質・費用・日本語テロップに大きな差が出ました。今回の結論は、ビジネス利用ではOmni 1.1 Flash一択です。
※2026年9月8日〜9日の制作時点の事例です。モデル・料金は変更される場合があります
COMPARE
まずは、完成した2本を比較
同じサービス、同じストーリー、同じ10秒。完成したCMを並べてご覧ください。
Seedance 2.5(BytePlus)
THEME
今回のテーマは、
同じ指示なら同じ品質になるのか
目指したのは、管理画面を見せる操作説明動画ではありません。人物のリアクションとテンポのよい画面転換で、「困りごと」と「ManualClipによる解決」が短時間で伝わるCMです。
揃えた比較条件
- 10秒・16:9の短尺CM
- 若い女性がマニュアル作成に困る場面から開始
- ブラウザ操作をきっかけに作業が自動化される展開
- ManualClipの実際の管理画面を見せる
- 「課題 → 解決 → UI → 検索」の流れ
- 明るく、テンポの速いWebサービス広告風
- 音楽・効果音を使用
一方で、ロゴ・正確な日本語・実管理画面・ナレーションまで動画生成AIだけで完全に仕上げるのは難しく、最終的には生成映像と後編集を組み合わせています。
STEP 01
先に、CMで見せる実画面を用意
最初にManualClipへログインし、CMで使用する実画面を撮影しました。
01
管理画面トップ
02
記録開始〜記録中
03
AI下書き・編集・公開・検索
途中、ブラウザ操作の記録終了時に画面が応答しなくなりましたが、保存済みの「管理画面トップ」「記録開始」「記録中」はそのまま利用し、AI下書き以降だけを確認し直しました。
重要なのは、AIに架空の管理画面を描かせるのではなく、実在するManualClipの画面を素材として確保したことです。サービス紹介動画では雰囲気だけでなく、実際に何ができるのかが伝わる必要があります。
STEP 02
Flowでは「画面だけ」から
「人物のいるCM」へ修正
当初は管理画面中心の指示だったため、操作説明動画に寄りすぎていました。「GoogleのCMのように人物が登場し、困りごとから解決までを見せる」と方向を明確にしました。
| 時間 | 映像の役割 |
|---|---|
| 0〜3秒 | 若い女性がWebマニュアル作りに困る |
| 3〜6秒 | ブラウザ操作を始め、表情が明るくなる |
| 6〜8秒 | 作業が自動化され、実際の管理画面を見せる |
| 8〜10秒 | 検索を促すエンドカードへ切り替える |
Flowで生成する部分は人物・動き・背景を中心にし、ロゴ・日本語テロップ・実管理画面・ナレーション・BGMは後から正確に合成する方針に切り替えました。生成映像内に日本語やロゴまで直接描かせると、文字崩れやロゴ変形が起こりやすいためです。
生成されたナレーションも意図どおりではなかったため、原稿を整え、GoogleのTTSでナレーション音声を作成し、BGMと合わせて後から合成しました。Omni版は「映像はGoogle Flow、音声はGoogle TTS」という分業です。
STEP 03
Seedanceの初回は、
7本に分けたことでCMにならなかった
Seedanceでは、最初に7つの場面を別々の短い動画として生成し、後からつなぐ方法を試しました。しかし、今回の目的には合いませんでした。
| Flowで良かった点 | Seedance初回で起きたこと |
|---|---|
| 1本の中で課題からCTAまで完結 | 7本が独立し、物語が分断された |
| 「Google系CM」「派手なテロップ」を指定 | 文字・ロゴ・詳細UIを禁止していた |
| 完成CMとして生成 | 後編集用の余白素材として生成した |
| 10秒の中で複数カットを展開 | 各素材が短く、単調な1動作になった |
| 人物・色・音・テンポが連続 | 人物とオフィスが毎回変わり、統一感が落ちた |
特に影響したのが、No readable text / No logos / Leave the lower-right 35 percent clean などの禁止指示です。求めていた「派手なテロップ入りの完成CM」にならないのは当然で、初回の低品質はモデル差だけでなく、分割方法とプロンプト設計の影響が大きいと判断しました。
STEP 04
SeedanceもFlowと同じ10秒・
同じ構成で再挑戦
公平に比較するため、SeedanceにもFlow版と同じ考え方を与え、1本の10秒CMとして生成し直しました。人物の存在感や画面の鮮明さ、UIのモザイク演出は初回より大幅に改善しました。
一方、日本語テロップは誤字という範囲を超えて破綻し、「マニュアルクリップで検索」という最後の訴求も正確には再現されませんでした。日本語で正確な情報伝達が必要な今回の用途では、Seedance 2.5は現時点でビジネス利用できないと判断しました。
COST
実際に確認できた制作費用
| 項目 | Gemini Omni 1.1 Flash | Seedance 2.5 |
|---|---|---|
| 完成比較に使った動画 | 10秒 | 10秒 |
| 制作時に確認できた生成料金 | 15クレジット | 4.0941 USD/約627円 |
| 課金の扱い | Google AI Proの月間1,000クレジットから消費 | 生成確認画面に表示された金額で実行 |
| 追加工程 | ロゴ・実画面を合成し、Google TTSナレーションとBGMを後から追加 | 日本語テロップが破綻するため全面的な作り直しが必要 |
Google Flowの公式クレジット表では、Gemini Omni Flashの720p・10秒動画は1生成あたり15クレジットです。ただし「15クレジット=約45円の追加課金」ではありません。
| 見方 | Omni 1.1 Flash・720p・10秒 |
|---|---|
| Google AI Proの月間枠内で生成 | 生成時の追加支払いは0円(月額料金は別途) |
| 月額を1,000クレジットへ単純按分 | 1生成あたり約44〜46円相当 |
| Gemini APIから従量課金で生成 | 動画出力だけで約1.01 USD/約155円(入力・思考トークンは別) |
日本国内の月額2,900円として計算すると 2,900円 × 15 ÷ 1,000 = 43.5円。米国価格19.99 USDなら約0.30 USD(参考為替1 USD=約153.25円で約46円)。約45円は公式の1本販売価格でも、今回追加で支払った金額でもありません。
Seedance 2.5は4.0941 USD(約627円)。Flowの月額按分約45円と比べると約14倍、Omni APIの動画出力約155円と比べると約4倍です。ただし、サブスクリプション枠と従量課金を同一の「実費」として比較することはできません。
Google TTSの約10秒ナレーションは、従量でもごく小さい金額です。Seedance初回7本分の合計実費は確認できなかったため掲載していません。
※円換算は2026年9月9日の参考為替1 USD=約153.25円を使用しています。
QUALITY
完成品質を比較
| 比較項目 | Gemini Omni 1.1 Flash | Seedance 2.5 |
|---|---|---|
| CM全体のテンポ | 課題から解決までの流れがまとまりやすい | 同じ10秒構成へ直すことで大幅に改善 |
| 画面構成 | 人物とUI、エンドカードの切り替えが自然 | 人物の迫力と画面の鮮明さが強い |
| 人物表現 | Webサービス広告として使いやすい自然さ | 存在感があり、視線を集めやすい |
| 日本語テロップ | 一部調整は必要だが、完成CMの土台として利用できた | 文字が破綻し、日本語広告としてそのまま使えない |
| 実UI・ロゴ | 後編集で担保する設計が有効 | 生成UIだけでは正確な製品説明にならない |
| 音声 | Google TTSでナレーションを別生成し、BGMと後から合成 | 音楽・効果音込みで生成したが、公開品質には確認・調整が必要 |
| 今回の総合評価 | ビジネス利用できる水準。今回の採用モデル | 日本語が破綻するため現時点では不採用 |
Seedance 2.5も、7分割から「1本でストーリーを完結」へ変えたことで映像表現は大きく改善しました。しかし、プロンプトを見直しても日本語テロップの破綻は解消できませんでした。映像素材としての可能性はあるものの、日本語コピーを含むビジネス広告では使えない、というのが今回の結論です。
RESULT
検証結果:生成AIだけで、
完成CMまで作れるか
人物・背景・カメラワーク・短いストーリー・CMらしいテンポまでは、どちらのモデルでも生成できました。しかし、ビジネス広告は雰囲気だけでは成立しません。サービス名・機能説明・検索CTAなどの日本語が正確に読めることが必須です。
| AI動画生成に任せる | 後編集で正確に仕上げる |
|---|---|
| 人物、表情、背景、動き | サービスロゴ |
| カメラワーク、場面転換 | 日本語テロップ |
| CM全体の勢い、雰囲気 | 実際の管理画面 |
| BGM・効果音のたたき台 | Google TTSによるナレーション、音量バランス |
AI動画生成は「ボタンを押せば完成CMが出てくる工程」というより、映像制作の大きな部分を短縮する素材・演出生成工程として使うと強みを発揮します。また、7本の余白素材を作らせるのか、1本の完成CMとしてストーリーを作らせるのかで、同じSeedance 2.5でも結果は大きく変わりました。
今回の結論:現時点のビジネス利用では、Gemini Omni 1.1 Flash(Google Flow)一択。
CONCLUSION
今回の結論:Omni 1.1 Flash一択
-
Omni 1.1 Flashが向いていた点
短い時間で課題から解決までをテンポよく見せたい。人物と製品画面を組み合わせ、生成後にロゴ・UI・ナレーションを重ねて完成させたい用途に合う。
-
Seedance 2.5の強みと限界
人物の迫力や映像の鮮明さには強み。1本ストーリー指示で初回より大幅改善。ただし日本語テロップが破綻し、正確な広告コピーが必要な用途では採用できなかった。
今回のManualClip CMでは、Gemini Omni 1.1 Flash(Google Flow)一択という判断になりました。プラン内15クレジット、API換算でも動画出力約155円というコストと、完成CMの土台として使える構成品質を考えると、約627円をかけても日本語が破綻したSeedance 2.5との差は明確でした。
これはManualClipの10秒CMを通じた一つの制作事例であり、両モデルの能力全体や今後の更新版の優劣を決めるものではありません。
PRODUCT
題材:ManualClip
(マニュアルクリップ)
ウェブサービスやアプリの操作をブラウザで記録するだけで、キャプチャと説明文をAIが作成し、ヘルプ用のマニュアルサイトとして公開できるSaaSです。
SOURCES
出典・確認資料
- Gemini Omni 1.1 Flash公式紹介
- Google Flow公式クレジット表
- Gemini API公式料金
- Google Cloud Text-to-Speech公式料金
- Seedance 2.5公式ページ
- BytePlus動画生成・料金ドキュメント
- 制作時のChatGPT共有記録(2026年9月8日〜9日)